私は何に興味を持っているのか。
自分でもわからない。
もしかすると、私にとって「興味の暗黒時代」が到来しているのかもしれない。
考察:旅行の何に興味があるか
友人Mと徳島旅行をしていた。そこでの問いかけが、頭を離れない。
その問いは、(旅行において)何に興味を持っているか、という至ってシンプルなものだった。
私は即答出来なかった。
旅とは何か
2025年後半は、目的のために手段を選ばない強行姿勢で「全国制覇旅」を実施した。
一番重要なのは、「未達成の地に足をつけ、画像または動画として記録に残す」こと。
それが何よりも優先事項であり、それ以外の事を考慮した旅の形は想像ができなかった。
2025年後半の旅行習慣を振り返ってみると、ただ私が「未達成の場所に足をつけ、画像または動画で記録をとる」ゲームをしていた、ということが理解できた。
ゲームをクリアするには、目的達成が不可欠だ。
目的達成のプレッシャーを自分でかけて、旅を重くのしかかるようなものにしていなかっただろうか。
今一度反省する必要がある。
だが、全国制覇旅自体はやってよかったと感じている。
旅に出て、限られた期間内に終わらせる。
過去の自分との約束を果たせる。
ただ、「全国制覇旅」の旅先において、文化や食事に触れる機会が少なかった。
しかし、その土地の気候、在来線、人の暮らし、旅に出て思う日本の大きさ、高速移動の進化、公共交通網の整備など改めて認識することができた。
このことから、私にとっての旅とは日常生活を物理的に離れ、日々埋もれがちな感性を取りもどすものではないか、と仮説を立てている。
私は主体的に「よし、自分の感性を取り戻してやる」と意気込んで旅はしていない。
しかし、毎回旅を終えて驚くのは、自身の感情変化である。
強制的に目の前の景色が移り変わり、日常とは異なる景色を映し出す。
普段抱えている悩みを考える間もなく目の前の景色は移り変わり続ける。
その地域の暮らしの想像にふける。
感情や一種の共感が生まれる。
私だけのオンリーワンの体験となる。
悟ったわけではない。
興味の探求
では、旅の何に興味を持っているのか。
①景色、風景の移り変わり
②日常から離れることができる感覚
③地域の持つ情報に触れる
④偶然性
その中でも、③地域情報に触れる、④偶然性の点から私の興味を探る事が可能だと思う。
①、②については私の主観的な旅の興味である。それらのインプットや感覚、想像、共感の過程をおそらく経て、オンリーワンの体験となっている。
一般的には、旅行における体験(食事や文化に触れることなど)の数も重要だと思う。
しかし、私の場合は①、②が達成されているだけで、自ら五感的に感じたり、考えたり想像したりして楽しんでいる可能性が高い。
ただ、一般的な旅行における興味要素とは若干ズレている気もするので、③、④を分析して答えを持っておきたい。
地域情報に触れる
地域情報は地域の持つ情報と捉えてよいと思う。
具体的にはその地域が持つ、歴史、遺産、建物、記憶、気候的特性、環境等々。ご当地グルメや現地の伝統的建造物等もこれらに該当する。
端的に、その地域特有の情報である。
例えば産業遺産で考えると、産業遺産そのもののハードとしての見ごたえ、ソフトで言えば、産業革命の歴史、労働者の待遇(光と闇)、当時の暮らし、生き方などだろうか。
訪れた人にとって、その地域の持つ情報がもたらすインパクトは計り知れないと思う。
私は学者でもなければ研究者でもない。
自分の都合で地域情報に触れないこともよくある。(素通りしている可能性が高い)
ただ、地域情報に触れて、知的好奇心に火がつくことも多々ある。
私の旅の興味の一つとして地域情報は外せない要素だと思う。
偶然性
偶然性は旅を面白くする要素だと思う。
旅程を決めないわけではない。
旅行の目的地には、何か目を引くものや、気になる道、景観がある。
事前の調べでは興味が持てなかったことも実際に現地に訪れてみれば、目の前にハードとして存在している。
これが意外と興味が持てたりする。
自分が楽しくないと思っていることや、興味がなさそうなモノゴトも体感してみれば悪くなかったりする。
ただ人間は現状維持を大変好む。
現状維持の吸引力によりその偶然性をつかむ行動を起こせない可能性もある。
まとめ
若干論点がズレつつここまで来た。
旅において、何に興味を持っているかと問われれば、それは自己の感情なのだと思う。
一般的に、上記の質問には、お城、ご当地グルメ、地域の記憶、等の回答をする流れだ。
だが、私はどのような要素の地域情報を経験してもよいと思っている。
その経験や体験の上にオンリーワンの体験(旅を通しての考え方、感じ方)が形成されると思う。
それに必要なのは自身の感じた事であり、心を動かされたことだと思う。
旅において私は、私の感情の変化に興味を持っていると言える。
だが、このようなことを世間で話すときは注意が必要だ。
首を傾げられたり、変と思われる可能性もある。
生き残るためにも、無難な回答を用意しておく必要がある。
無難な回答
・景色や風景を見ることに興味がある
・ご当地のグルメを食べることに興味がある
・現地のお土産やお酒に興味がある
これら3点は旅において興味がある事だ。
旅の出発動機は、自然の景色を見たい、絶景を見たい、普段と違うところに行ってみたい、という欲求だ。
そのうえで現地に着いたときに何を食べるか、どういったお土産を見るか、といった観点でご当地グルメや現地のお酒に興味を持ったりする。

